家庭教師のアルバイトは大学生にとても人気があるアルバイトの一つです。皆さんの身のまわりにも、家庭教師のアルバイトをしている友人は多いのではないでしょうか?
しかし、普通のバイト感覚で家庭教師を始めてしまうと、後々大変なことになってしまうケースもあります。なぜならば、家庭教師のお仕事は、“生徒さんの人生の一端を担う”ということだからです。もちろん、家庭教師のアルバイトには、ほかのアルバイトで得られないやりがいや楽しさ、そして高い時給という魅力があります。
しかし今回は、そのお仕事の重要性について、“家庭教師に求められる三つの責任”として分解しながら紹介したいと思います。
一つ目は、生徒の成績に関してです。
なぜ、生徒の成績に責任を持たなければならないのでしょうか。
それは一言でいうと、「お金をもらって教えている以上、プロとしての対応を求められるから」です。家庭教師のアルバイトを始めた人からよく聞く言葉があります。
それは、「思うように生徒の成績が伸びない!!」という声です。大学生の人気バイトとして名高い「家庭教師のアルバイト」ですが、大学生でこれまでに生徒の指導経験がある人はそれほど多くないでしょう。そんな人たちが最初につまずく壁が、「生徒の成績が伸びない!」というものです。アルバイトする側としてはトライ&エラーの気持ちで、時間をかけて成績を伸ばしていこうと考えがちですが、果たして親御さんはどのようにかんがえているでしょうか。
①成績を上げて欲しい
②子どもとの相性が合う人に教えて欲しい
③子供に自力で勉強する方法を教えて欲しい
このように「成績を上げること」は家庭教師に求めることNo1と、教師の必須の条件になっています。特に家庭教師を雇うご家庭は、子供の学習状況や成績に課題がある場合が多いです。筆者が学生の頃担当したご家庭は、「数学がいつも10点台です。それが理由で留年しそうなので、次のテストで何とか80点以上取らせてほしい」といったものでした。
ご家庭には高い月謝を払って家庭教師を雇う理由があるのです。
2位の相性も大切です。やはり子供が質問をしやすく、勉強に向かうのが苦にならないような先生がついてくれると親御さんとしては安心です。
しかし、あまり仲良くなりすぎると生徒が宿題をやってこなくなったり、言うことを聞いてくれなくなったりします。
以上から家庭教師に求められる責任とは、「先生と生徒の関係をしっかり維持し、生徒の学力を上げること」ということができます。
この認識がずれていると、家庭教師バイトをやっていく中でクレームをもらってしまったり、最悪の場合クビになってしまうこともあります。
なかなか生徒の成績が上がらず、悩むことがあるとは思いますが、「プロとして絶対に成績を上げる!」というスタンスは、高自給のアルバイトをしている以上持たなければいけないものです。
家庭教師は、生徒の勉強習慣やモチベーションに責任を持たなければなりません。それは、家庭教師が生徒さんの人生をずっと見守っていくわけではないからです。
家庭教師をしていて生徒の結果が出ないことに責任を感じる人の悩みとしては、
「勉強をずっと教えているが、生徒が全然楽しそうじゃない・・・」
「宿題を言った通りにやってきてくれない・・・」
「小テストでは良い成績なのに、定期テストだと結果が出ない・・・」というものがあります。
これでは生徒も先生も、親もくるしむばかりですね。ここでもう一度、家庭教師に求められることTOP3を見てみましょう
① 成績を上げて欲しい
② 子どもとの相性が合う人に教えて欲しい
③ 子供に自力で勉強する方法を教えて欲しい
ここで注目するのが、3位の「子供に自力で勉強する方法を教えること」というものです。もう一度書きますが、家庭教師は、その後その生徒さんの人生をずっと見ていくわけではありません。そのため、問題の解き方をひたすら教えるのではなく、勉強のやり方を教え、いずれは自分がいなくなっても生徒さんが一人で勉強できるような「勉強習慣」を身に着けさせてあげられることが大切です。これは簡単なことに思えて、実はとても難しいことです。
たとえば、大人でもダイエットをする為に「明日から一か月間、朝起きたら必ず腹筋30回するぞ!」と決意しても、実現できる人は少ないのではないでしょうか。大人でさえ習慣を変えることにはかなりのエネルギーが要ります。人間はモチベーションが向かないことに対して、なかなか努力できないものだからです。勉強習慣がないお子さんにとって、机に向かう習慣をつけるということは、それ以上に難しいことでしょう。ではどのようにモチベートしてあげればよいのでしょうか?
例として、よくスポーツなどで使われているモチベーション理論とその活用法のいくつかを紹介しておきます。
A、期待理論
人間の行動は、「どこまでやればよいかの限界値が明確で、どうすればよいのか戦略が必要充分であり、達成した目標の成果が魅力的であれば、その目標に向かって動機付けされる」という考え方のこと。
これは、「どこまでやるのか」「どうやってやるのか」「目標がその子にとって魅力的か」という3点をしっかり考えるということです。
そもそも、目指す目標にその子が不信感を持っていたり、目標自体がその子のやりたくないことであったら勉強習慣を持ってもらうのは難しいです。
まず授業が始まったら「勉強ができるようになることが、その子にとってどんなメリットに繋がるか?」を会話で確認し、”今日の目標”を立てながら授業を展開すると良いでしょう。
B、 ピグマリオン効果
「人間は期待された通りの成果を出す傾向がある」という効果。
期待されることによって、人間は自信や自己肯定感を得ます。生徒さんがどんなに最初は成績が悪くても、家庭教師だけはその子の成績が上がることを信じて指導しなくてはならないということですね。自分が成績を上げる事に責任を持ち、「頑張れば君なら必ず成績が上がるよ!」などその子の可能性を自分自身が疑わず、それを本人に伝えることが大切です。
C、 心理的リアクタンス
人は生来的に自分の行動や選択を自分で決めたいという欲求がある。しかし、それを他人から強制されると、例えそれが自分にとってプラスの提案であっても無意識的に反発的な行動をとってしまう。
家庭教師がいくら良い指導内容や目標設定をしても、お子さんに少しも決定権がないとその子の行動に繋がらないということですね。時には、「今日はなんの勉強をしたい?」と聞いてあげてもいいかもしれません。
どうでしょうか。今すぐ使えるものもあるので、ぜひ実践してみてくださいね!
以上から、「家庭教師として働き、生徒の成績を伸ばす」ということには、「生徒の勉強計画・成績を伸ばすプランを考え、モチベートしていく責任」が含まれます。なかなか難しいように思えますが、この責任こそ、家庭教師が人気のバイトとなる“やりがい”につながっているのかもしれませんね。
受験戦争という言葉でおなじみですが、名門大学出身では就職活動に有利になるなど、現状では学歴を重視している社会です。そのことから学歴は、直接仕事の選択に響き、給料の高低を決める要因になっています。ご家庭が高時給を払っても、お子さんの勉強に力を入れる理由そのものです。また、小学生中学生高校生時代は人間の精神的成長期であり、子供にとって身近な大人である「先生」は影響力が大きい存在になります。勉強面でも、精神的な面でも、少なからず生徒の人生の一端を担っているという認識が、家庭教師には必要になります。
以上のように家庭教師は、多くの責任を伴うお仕事です。大きなやりがいと高自給の裏側には、大きな責任もついてくるのですね。あまり自分で教えきれる自信がない人は、家庭教師派遣会社を通して働くことでそのリスクを抑えることができます。なぜならば、なにかご家庭と問題になってしまったときに、会社が間に入ってくれるという利点があるからです。また、逆に責任感の強い人は「自分なんかが教えてしまって大丈夫なのだろうか」と深く考えてしまいがちですが、その責任感があれば問題ないといえるでしょう。
家庭教師は、責任さえ果たして仕事をしていけば、学生の限られた時間の中で結構なお金を稼げる最高のアルバイトです。働くときだけはプロの意識を持って、充実した学生生活を送りましょう。